低周波治療とは その1
法則
プリューゲルの第1法則(極興奮の法則)
回路閉鎖時・・・陰極下
回路開放時・・・陽極下
プリューゲルの第2の法則(無刺激通電の法則)
陰極部近くでは・・・閾値の低下
陽極部近くでは・・・閾値の上昇
プリューゲルの第3の法則(収縮法則)
極公式(電流が複雑に流れる生体に適用できる)
弱い直流電流刺激順に並べると・・・
1.陰極で閉鎖電流刺激の時起こる筋収縮(CCC:陰極閉鎖収縮)
2.陽極で閉鎖電流刺激の時起こる筋収縮(ACC:陽極閉鎖収縮)
3.陽極で開放電流刺激の時起こる筋収縮(AOC:陽極開放収縮)
4.陰極で開放電流刺激の時起こる筋収縮(COC:陰極開放収縮)
※正常筋で、筋収縮を起こさせるのに必要な直流電流は・・・
⇒CCC<ACC<AOC<COCの順になる
※変性筋の場合では・・・
⇒ACC<CCC<AOC<COCの順になる
効果
筋収縮を起こす(電気的収縮による他動運動)
鎮痛・鎮静作用
平滑筋刺激(慢性便秘、腸管・排尿運動)
骨成長の癒合促進
下腿深部静脈血栓の予防
※筋力増強には効果はなく、廃用性の筋萎縮・収縮性の消失の予防である
※血液循環が良くなるので、炎症産物の吸収が早い
※ROMの維持、拮抗筋拘縮の予防、筋の変性の助長の効果はない
ワラー変性(waller変性)
外傷により軸索の断裂が起こり、
近位部は健常のまま残るが末梢部は軸索・髄鞘とも完全に変性に陥り、
破壊・吸収される現象をいう。
※損傷の種類(Sedonの分類)
ニューロプラキシア:神経機能障害・・・ワラー変性は起こらない
アクソノトメーシス:軸索断裂・・・障害部位より末梢にワラー変性が生じているが、シュワン管は残存している
ニューロトメーシス:神経断裂・・・神経線維は断裂し、抹消にワラー変性を生じている
筋刺激の方法
単極通電法
筋刺激の際に最もよく用いられる
不関電極(大電極)・・・関電極より中枢部に置く
関電極(刺激導子)・・・運動点(モーターポイント:筋・神経の興奮しやすい部分)に置く
※刺激導子は陰極、陽極のいずれでもよい(だが、普通では陰極)
※不関導子は関導子よりも大きいものを用いる
双極通電法
変性筋に使用する
同じ大きさの2つの電極でモーターポイントをはさんで刺激する
電気診断(ワラー変性の診断)
◆S-D曲線(強さー期間)
興奮を起こすのに必要な刺激の強さの最小限度と刺激時間との関係を示すもの
脱分極を起こすのに必要な刺激の強さと持続時間との関係を示すもの

※神経・筋の変性、麻痺があるとS-D曲線は右方へ上昇移動する
※この曲線より下(弱い)刺激では筋収縮が起こらない
◆基電流:十分長い時間電流を流した時に筋や神経に反応を生ずるのに必要な最小電流のこと。
正常の基電流・・・4〜8mA
通常正常で、10msecまでに基電流に入る
◆時値:基電流の2倍の電流で通電したとき興奮を起こすのに必要な最短通電時間
正常の時値は、1msecの前後
1msecを超えるときに何らかの変性を疑う
脱神経筋
支配している神経がワラー変性に陥った筋、つまりモーターポイントがなくなってしまった筋のこと
変性が著明なほど、曲線に左側は急峻な突き立ったものとなる
基電流・時値ともに高値となる
不完全脱神経筋S-D曲線が不連続性、つまり折れ込み(折れ曲がり)を呈することがある
※折れ込み現象・・・末梢神経損傷の回復途中 or 変性途中
運動点(モーターポイント)運動神経終板が集中している点(電気刺激により筋の収縮が強く引き出せる点)
位置は、筋の神経−筋接合終末が集中した筋上の点、神経では神経が表面に最も近い点、変性筋では最も近くが良い点(変性筋の場合、解剖学的運動点は持たないので、筋線維は直接刺激される)
治療を目的とした通電療法の分類
治療的電気刺激法(TES)
経皮的末梢神経電気刺激法(TENS)
機能的電気刺激法(FES)
干渉電流療法(IFC)
EMG(筋電図)バイオフィードバック療法
高電圧電気刺激法(HVS)
骨電気刺激法
効果
鎮痛効果
筋力増強効果
痙性の抑制効果
浮腫の軽減
癒着予防(拘縮予防)
随意的運動機能の改善
禁忌
心臓ペースメーカー埋込み患者、重篤な心疾患のある患者など
※心臓ペースメーカーの律動を狂わせる恐れがあるため
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法則
プリューゲルの第1法則(極興奮の法則)
回路閉鎖時・・・陰極下
回路開放時・・・陽極下
プリューゲルの第2の法則(無刺激通電の法則)
陰極部近くでは・・・閾値の低下
陽極部近くでは・・・閾値の上昇
プリューゲルの第3の法則(収縮法則)
極公式(電流が複雑に流れる生体に適用できる)
弱い直流電流刺激順に並べると・・・
1.陰極で閉鎖電流刺激の時起こる筋収縮(CCC:陰極閉鎖収縮)
2.陽極で閉鎖電流刺激の時起こる筋収縮(ACC:陽極閉鎖収縮)
3.陽極で開放電流刺激の時起こる筋収縮(AOC:陽極開放収縮)
4.陰極で開放電流刺激の時起こる筋収縮(COC:陰極開放収縮)
※正常筋で、筋収縮を起こさせるのに必要な直流電流は・・・
⇒CCC<ACC<AOC<COCの順になる
※変性筋の場合では・・・
⇒ACC<CCC<AOC<COCの順になる
効果
筋収縮を起こす(電気的収縮による他動運動)
鎮痛・鎮静作用
平滑筋刺激(慢性便秘、腸管・排尿運動)
骨成長の癒合促進
下腿深部静脈血栓の予防
※筋力増強には効果はなく、廃用性の筋萎縮・収縮性の消失の予防である
※血液循環が良くなるので、炎症産物の吸収が早い
※ROMの維持、拮抗筋拘縮の予防、筋の変性の助長の効果はない
ワラー変性(waller変性)
外傷により軸索の断裂が起こり、
近位部は健常のまま残るが末梢部は軸索・髄鞘とも完全に変性に陥り、
破壊・吸収される現象をいう。
※損傷の種類(Sedonの分類)
ニューロプラキシア:神経機能障害・・・ワラー変性は起こらない
アクソノトメーシス:軸索断裂・・・障害部位より末梢にワラー変性が生じているが、シュワン管は残存している
ニューロトメーシス:神経断裂・・・神経線維は断裂し、抹消にワラー変性を生じている
筋刺激の方法
単極通電法
筋刺激の際に最もよく用いられる
不関電極(大電極)・・・関電極より中枢部に置く
関電極(刺激導子)・・・運動点(モーターポイント:筋・神経の興奮しやすい部分)に置く
※刺激導子は陰極、陽極のいずれでもよい(だが、普通では陰極)
※不関導子は関導子よりも大きいものを用いる
双極通電法
変性筋に使用する
同じ大きさの2つの電極でモーターポイントをはさんで刺激する
電気診断(ワラー変性の診断)
◆S-D曲線(強さー期間)
興奮を起こすのに必要な刺激の強さの最小限度と刺激時間との関係を示すもの
脱分極を起こすのに必要な刺激の強さと持続時間との関係を示すもの

※神経・筋の変性、麻痺があるとS-D曲線は右方へ上昇移動する
※この曲線より下(弱い)刺激では筋収縮が起こらない
◆基電流:十分長い時間電流を流した時に筋や神経に反応を生ずるのに必要な最小電流のこと。
正常の基電流・・・4〜8mA
通常正常で、10msecまでに基電流に入る
◆時値:基電流の2倍の電流で通電したとき興奮を起こすのに必要な最短通電時間
正常の時値は、1msecの前後
1msecを超えるときに何らかの変性を疑う
脱神経筋
支配している神経がワラー変性に陥った筋、つまりモーターポイントがなくなってしまった筋のこと
変性が著明なほど、曲線に左側は急峻な突き立ったものとなる
基電流・時値ともに高値となる
不完全脱神経筋S-D曲線が不連続性、つまり折れ込み(折れ曲がり)を呈することがある
※折れ込み現象・・・末梢神経損傷の回復途中 or 変性途中
運動点(モーターポイント)運動神経終板が集中している点(電気刺激により筋の収縮が強く引き出せる点)
位置は、筋の神経−筋接合終末が集中した筋上の点、神経では神経が表面に最も近い点、変性筋では最も近くが良い点(変性筋の場合、解剖学的運動点は持たないので、筋線維は直接刺激される)
治療を目的とした通電療法の分類
治療的電気刺激法(TES)
経皮的末梢神経電気刺激法(TENS)
機能的電気刺激法(FES)
干渉電流療法(IFC)
EMG(筋電図)バイオフィードバック療法
高電圧電気刺激法(HVS)
骨電気刺激法
効果
鎮痛効果
筋力増強効果
痙性の抑制効果
浮腫の軽減
癒着予防(拘縮予防)
随意的運動機能の改善
禁忌
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